骨盤臓器脱の治療について

骨盤臓器脱の治療について

このページでは、骨盤臓器脱の治療についてQ&A形式でご紹介いたします。

Q1:骨盤臓器脱とは?

▲骨盤臓器脱の例
骨盤臓器脱は性器脱ともよばれ、子宮、膀胱、直腸などが加齢とともにだんだんと下がってきて、 膣の入り口から体外に出てしまう状態をいいます。
脱出する臓器により、子宮脱、膀胱瘤、直腸瘤、 膣脱などがあります。

Q2:その原因は?

骨盤の底には子宮、膀胱、直腸などの臓器を支えている筋肉や靭帯が、お産を繰り返したり年齢を重ねていくことでこの支えが緩み、子宮や膀胱、直腸が骨盤の中から膣に下がってくるのです。

Q3:骨盤臓器脱の症状は?

下腹部や膣の中にものが降りてきたような違和感や、膣から丸いものが触れるというのが初期症状です。
進行すると、常に股の間にものがはさまった感じとなり、尿や便がすっきりと出なくなります。
高度になると膣壁が下着にすれて出血するなど歩行も困難となり、日常生活が大きく制限されてきます。

Q4:治療法にはどんなものがありますか?

骨盤臓器脱には薬は無効で、治療の原則は手術療法となります。
また、脱出が軽度の方や手術を受けられない方のためには、対症療法としてリングペッサリーを挿入する方法もあります。

Q5:ペッサリー療法(保存療法)について教えて下さい

▲図:ペッサリーと子宮、膣壁
膣の中にリングペッサリーを挿入する方法で、あくまで補助的な矯正器具なので根本的な治療法ではありません。患者様の体格や膣の状態に合わせてサイズを選んでいきます。
また、膣の炎症を起こしやすく、出血やオリモノの増加がしばしばおこるので、2~3ヶ月毎の定期的な交換が必要です。

Q6:手術療法にはどんなものがありますか?

(1) 腟から子宮を摘出し、膀胱と膣の間の筋膜および直腸と膣を支える筋肉を補強する術式 (腟式子宮全摘除+前後腟壁形成術)
(2) 腟閉鎖術
(3) 緩んだ筋膜や靱帯の代わりに人工の素材を用いて補強するメッシュ手術等があります。

当院にて行っている手術(1)(2)についてそれぞれのメリット、デメリットを下記に示します。

(1)子宮摘出術+前後腟壁形成術

【概要】・下がってきた子宮を摘出・子宮摘出後に腟壁を縫い縮める方法(婦人科で最も多く行われている)
【メリット】・子宮がんや子宮筋腫のリスクはなくなる。
【デメリット】・妊娠できなくなる・妊娠できなくなる入院が必要(約7~10日間)・再発の可能性(約1~2%)・合併症をおこすこと

(2)腟閉鎖術

【概要】・膣の前と後ろの壁を縫い合わせて、臓器が落ちないようにする。
【メリット】・短時間で手術が可能(約40~50分)・日帰り手術
【デメリット】・性交ができなくなる。・子宮がん検診が不確実になる。

■診療実績~過去10年間における執刀例の内訳

  2010年~2018年 2019年
子宮脱(他院で執刀) 852 56
腟脱(他院・当院) 32 3
膀胱瘤(他院・当院) 16 4
直腸瘤(他院・当院) 12 3
腟閉鎖(他院・当院) 15 4
合計 927 70

Q7:膣閉鎖術を行った場合、希望すれば入院が可能ですか?

当院と連携している近隣の施設に入院を依頼しますのでご相談ください。

Q8:膣閉鎖術の費用はどのくらいですか?

保険適応の手術であり、自己負担割合が2割の方で約28,000円です。

Q9:膣閉鎖術の術後、日常生活で何か注意することがありますか?

術後の日常生活について、特に注意することはありません。

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